成長と需要の高まり!整体師の将来性と業界の展望

公開日:2023/06/15  最終更新日:2024/04/24

少子高齢化の影響で、今後も整体師の需要はあるでしょう。しかし、整体院だけではなく、接骨院、鍼灸院、整形外科なども競合にカウントされるので、ますます競争が激化するでしょう。今回の記事で、今後も生き残って利用者にサービスを提供するためにはどうすればよいのか見ていきましょう。自分のビジョンを大切にしてください。

整体師の現状

整体師は、外科手術や投薬などの、西洋医学的なアプローチではなく、手技治療によって身体の不調を緩和し、健康をサポートする専門家です。外科手術や薬物治療とは異なり、身体の痛みや不調を改善することに焦点を当てています。

現在、そんな整体師の需要は非常に高く、特に高齢者や若い世代からのニーズが増加傾向にあります。近年では、高齢者だけではなく、若い女性からのニーズが非常に増えているのです。

高齢者は身体の不調が増える傾向にあり、整体師の施術によってその症状を改善しようとする人が多いです。一方、若い世代では美容やダイエット、産後のケアなど、身体の美容や健康を意識する人が増えており、整体師の施術を受ける人も増えています。

また、介護関連のニーズも非常に高まっています。介護関連の施設では、機能訓練指導員の在籍が義務付けられているからです。

なので、整体師がこの機能訓練指導員の資格も持っていると介護施設での就業機会が増えます。このように、整体師の活躍の場は増えており、多岐に渡っています。

しかし、整体師の競争率も高まっており、需要に対する供給が過剰な状況です。整体師は資格を取得するまでのハードルが比較的低く、そのため多くの人がこの職業を目指しています。結果、実力や人気のある整体師に顧客は集中する傾向にあるようです。

整体師の需要はどうなのか

近傍の整体院が利用者を奪い合うだけではなく、そのほかの職業も競合となります。

需要は高いが競争率も高い

整体師になるためには国家資格などが必要とならないので、敷居の低さから整体師の数が増加しています。そのため、腕のよい整体師には利用者が集まりますが、施術のレベルが低い、接客のレベルが低い、コンセプトがよく分からない整体院は、いつまでも集客に苦しむことになります。

また、何度も店舗に足を運んでもらわないと、まとまった収入が期待できないので、利用者の満足度を高めなければいけません。顧客ロイヤリティを高められている整体院は、固定客が店舗を支えていますが、リピート率が低い整体院は、自転車操業となっているのが現状です。

これらのことから、整体師の需要は高いですが、競争率も高いので、工夫しなければ生き残るのは厳しいといえるでしょう。

ほかの職業との競合もある

整体院だけで成功するのは至難の業です。需要が高いですが、整体院だけではなくほかの職業との競合があるからです。

利用者の多くは、整体院、接骨院、鍼灸院の特徴や違いをあまり理解していません。つまり、どこの店舗に通っても、同じような効果が期待できるのではないかと考えています。

また、整体院が接骨院や鍼灸院などと異なるのが、利用者が支払う金額です。整体院は自由診療になるので、保険が適用されません。利用者が全額負担しなければいけないので、それを負担に感じる人は接骨院や鍼灸院に足を運ぶようになるでしょう。

さらに視野を広げて考えると、整形外科、パーソナルジム、フィットネスジムも、利用者の心身の悩みを解消するので競合になります。

固定客を獲得することも重要

整体師は、国家資格が必要ない職業です。技術を身につけることで、将来的に独立や開業も目指せます。

ただし、その敷居の低さから、整体師を目指す人口は増加傾向にあります。腕のある整体師には利用者が集まりますが、施術レベルが低かったり、接客対応が悪かったりする整体院は、集客に悩まされることになります。

また、整体院は同業との競合だけでなく、他業種とも利用客の取り合いになりやすい業態です。利用客の多くは、整体院と接骨院、鍼灸院の違いを把握していないのが実情です。

整体院と接骨院・鍼灸院との最大の違いは、ずばり支払金額です。整体院は保険が適用されない自由診療です。

利用者は受けた施術に対して全額負担となるので、費用対効果を得られないと感じた場合には、リピーターになることはないでしょう。さらに視野を広げると、整形外科やパーソナルジムなど、身体の悩みを解消する業種は競合と言えます。

整体師として成功するためには、他院との差別化を図り、リピーターを獲得することが重要です。あらゆるニーズに対応できるような深い知識と技術力を身につけることで、固定客を掴めるようになります。

固定客を獲得することで、まとまった収入が期待できます。歩合制を取り入れている整体院であれば、施術料金に対して4割~6割のキックバックを受け取ることができます。指名率が増えるとインセンティブも増加するので、固定客を獲得することは重要です。

また、患者からの信頼が厚い整体師は、整体院で要職に就ける可能性が高まります。一般社員から店長格へ昇進することで、店舗の運営や社員教育に携われるようになります。

さらに、店舗で実績を積むことで、独立や開業への道が広がります。固定客の多くは、整体院ではなく、整体師のファンとして通い続けているケースがほとんどです。

そのため、独立した後も、施術を受けるために通ってくれることでしょう。固定客を増やすことで、独立した後も安定した運営が期待できます。

整体師の将来性

将来衰退していく事業ではありません。むしろ今後も需要が見込まれます。国家資格を取得する必要はありませんが、専門学校などを卒業した人が整体師として活躍するようになると、資格を保有していない整体師は苦労するかもしれません。

少子高齢化の影響で需要が増加する

近年、整体師という職業のニーズは高まりつつあります。日本ではますます少子高齢化の波が押し寄せており、2019年時点で65歳以上人口は約3,600万人とされています。

総人口に対する約3割が高齢者であり、今後も増加傾向にあると考えられます。高齢者による健康への意識が高まるにつれて、整体をはじめとした代替医療は注目を集めています。

また、整体院には、身体の不調を訴える人だけでなく、リラックスしながらコミュニケーションを求めるシニアからの需要も存在します。今後は、整体院での施術に加えて、介護施設やデイサービスなどで、施術する機会も増えてくるでしょう。

高齢者が店舗まで訪れることが難しい場合でも、介護施設やデイサービスなどに整体師が出張することで、気軽に施術を受けられます。少子高齢化に伴って介護施設や入居者の数も増加すると考えられるため、整体師への依頼が増える可能性が高まります。

独立・開業を考えている場合には、自身が運営する整体院での施術はもちろん、出張施術もプランに加えることで、幅広い需要に対応できることでしょう。他院との差別化を図るためには、柔軟な対応が必要となります。

また、近年は高齢者だけでなく、若年層も整体院に通うケースが増えてきています。2020年に発生した新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、全国的に在宅ワークが普及しました。

自宅に籠って仕事をすることで、運動不足による肩こりや足のむくみに悩まされる人が増えています。このような状況から、整体院のニーズは今後も高まっていくと考えられます。

ただし、あらゆるニーズに応えることは難しいため、自身のビジョンを明確に定め、専門分野を追求することが大切です。

病院に通うほどではないけれど、心身の悩みを解消したいと考えているシニアや、気軽にリラックスしながらコミュニケーションを交わせる人を求めているシニアなどに需要があります。

少子高齢化が進んでいるので、今後も需要が増加するでしょう。医療分野や健康分野に関心を持っている人が増加しているので、これまで整体院に通ったことがない人が、サービスを利用することもあるでしょう。

今後増えていくと予想される整体師の活躍の場

さまざまな場面で活躍が期待されています。しかし、すべての分野に進出するのは難しいので、整体院の得意分野をきちんと明確にしておきましょう。

美容やダイエット目的の整体

激しい運動や食事制限をしなくても綺麗になりたいと考えている女性や、ダイエットしたいと考えている女性から需要があるでしょう。

これまでの心身の悩みを解消するだけではなく、美容、ダイエット、リラクゼーションも求められるので、パーソナルトレーナーやアスレチックトレーナーのような知識も求められるようになるでしょう。

介護や福祉の現場で活躍する可能性がある

介護施設やデイサービスなどで、整体の施術を受けられるようになっています。自分で体を動かしにくい利用者が、整体の施術を受けることで、心身の悩みを解消できるでしょう。

また、利用者が店舗に足を運ぶのは難しいですが、介護施設やデイサービスに整体師が出張してサービスを提供することで、利用者が肉体的な負担を負わずに済みます。

今後は、少子高齢化で入居者の数が増加するでしょう。介護施設やデイサービスから整体師に依頼がくる可能性が高くなります。

自分のビジョンを持っておくことが大切

これからはさまざまな活躍の場が与えられますが、自分のビジョンを持っておくことが大切です。美容、ダイエット、介護などのすべての分野を1つの整体院で網羅するのは難しいので、専門分野をはっきり決めておきましょう。そして、それを利用者に理解してもらわなければいけません。

どのようなサービスを提供している整体院で、どのような価値を利用者に提供できるのか明確に伝えられるようになると、整体院が求めている利用者が訪れるようになります。すると、利用者と整体師のミスマッチが発生しないので、長く良好な関係を構築できるでしょう。そこに行きつくまでは試行錯誤の連続ですが、広く意見を募集しながら進んで行きましょう。

まとめ

利用者は、整体院の特徴や接骨院や鍼灸院との違いをあまり分かっていません。大切なことは、最初に店舗に足を運んだときによい印象を与えられるように、整体師が準備することです。

固定客に足を運んでもらえるようになると、集客で苦労することがなくなります。そのぶん集客コストも削減できるので、余裕を持った経営ができるでしょう。

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