整体師が業務委託で働くメリットとデメリットを解説!

公開日:2023/11/15  最終更新日:2023/07/24


整体学校を卒業して、一人前の整体師として働く際には、以下のような働き方が考えられます。整体院に就職して従業員として働く、独立して自身の整体院を開業する、個人事業主(フリーランス)として業務委託で働くなどです。本記事では、整体師が業務委託で働く場合の、働き方やメリット・デメリットについて解説します。

整体師の業務委託はどんな働き方?

はじめに、整体師の「業務委託」の働き方について解説します。整体師の業務委託とは、整体師が整体院(もしくは整体サロンなど)と、雇用契約ではなく業務委託契約を交わして働く方法です。従業員として働く場合は、雇用主と従業員は主従関係にあたります。雇用主の指示や就業規則に従う必要があるため、業務内容や就労時間などにさまざまな制約が生じます。

一方で、業務委託の場合は委託側に指揮命令権はありません。したがって、委託側(整体院・サロン)と受託側(整体師)の関係は対等です。従業員として働くよりも自由度が高く、自分のペースで働ける点が魅力です。

業務委託のメリットとデメリット

自身のスキルを活かし、自由な働き方を実現できる整体師にとっての業務委託の魅力について、メリットとデメリットを解説します。

メリット① 実力や仕事量次第で収入が増える

業務委託のメリットのひとつは、実力や仕事量に応じて収入が増えることです。業務委託の整体師の給与は、ほとんどが「歩合制」であるため、施術をすればするほど稼ぎが増えます。自身の施術技術が向上し、顧客の信頼や人気を得ることができれば、顧客からの指名が増え、収入も増加します。頑張れば頑張るほど収入アップが見込めるため、やりがいのある働き方といえます。

メリット② 独立開業するよりも資金面の負担が少ない

二つめのメリットは、独立開業にくらべ資金面での負担が少ないことです。施術するほど高い収入が見込める点は、業務委託で働く場合も独立開業も同じです。しかし独立開業する場合は、店舗取得費や設備投資費用など、まとまった資金が必要になります。

経営に成功し、費用を回収できれば問題ありませんが、失敗した場合は多額の負債を抱えるリスクがあります。一方で、業務委託で働く場合は、開業資金はほとんど必要ありません。そのため、資金面での負担やリスクを抑えて働くことが可能です。

メリット③ 働き方の調整がしやすい

柔軟な働き方や、日程調整が可能であることもメリットのひとつです。就業時間や休日を自分の都合に合わせて調整しやすいため、ライフスタイルやプライベートを考慮した働き方が可能です。ただし、契約内容はそれぞれ異なるため、事前に契約先との打ち合わせが必要です。

デメリット① 収入が不安定

業務委託で働く上での大きなデメリットは、収入が安定しないことです。雇用契約を交わし固定給で働く場合は、顧客が少ない日があっても一定の収入を得ることが可能です。しかし、業務委託の場合は報酬が歩合制のため、仕事量によって収入が左右されます。

たとえ、整体師としての実力があり顧客をしっかり確保できていたとしても、季節や天候の影響などさまざまな要因で顧客の出入りは変動します。最悪の場合、仕事がない日は収入ゼロになってしまいます。柔軟な働き方ができる一方で、収入の安定性に欠けるため注意が必要です。

デメリット② 社会保険に関する負担やデメリットが多い

二つめのデメリットは、年金や健康保険の負担が重いことです。通常の会社勤めの場合は、企業が社会保険(厚生年金や健康保険、雇用保険など)の手続きを代行してくれます。保険料の納付も給与からの天引きであるため、手間がかかりません。

一方、業務委託のフリーランスの場合は、国民健康保険や国民年金に自分自身で加入・切り替え手続きを行い、保険料を納付しなければなりません。保険料の負担額が大きく、傷病手当金や出産手当金がもらえないなど給付内容に差があることもデメリットです。さらに業務委託では、個人事業主としての働くことになりますが、個人事業主は社会保険のうち労災保険と雇用保険に加入できない点も注意が必要です。

開業届の提出や確定申告が必要

業務委託で働く際に必要な開業届の提出や確定申告など、スタートする前に知っておきたい手続きのポイントを詳しく解説します。

開業届の提出

業務委託で働く場合、事前に税務署に開業届を提出しておきましょう。整体院や整体サロンと業務委託契約する際、整体師は個人事業主として契約書を交わします。個人事業主が営利目的で事業を開始する場合、開業日から1か月以内に開業届を提出する必要があります。

ただし、開業届の提出が遅れたり、提出自体しなかった場合でも、とくに罰則はありません。しかし、開業届を出した場合は後述する青色申告が可能になるなどメリットがあるため、開業届を提出することをおすすめします。

確定申告は自分でする必要がある

会社に雇用されて働く場合は、基本的に自分で確定申告する必要はありませんが、個人事業主の場合は毎年の確定申告は自分で行わなければなりません。

青色申告ができる

開業届を出すと、青色申告が可能になります。青色申告では、青色申告特別控除を受けられるため、納税額を抑えることができます。また、3年間損失を繰り越すことも可能です。さまざまな利点があるため、青色申告で確定申告しようと考えている場合は、開業届と同時に青色申告承認申請書を提出するとよいでしょう。

まとめ

本記事では、整体師が業務委託で働くメリットとデメリットについて解説しました。整体師が業務委託で働く場合、労働時間や勤務場所などの柔軟性が高く、自分に合った働き方が可能です。また、成果に応じた売上が期待できるため、顧客が増えたくさん施術をするほど、高いモチベーションを維持しながら働くことができます。一方で、収入の安定性が低いデメリットがあります。社会保険の手続きや、開業届や確定申告の必要性など、自身でやるべきことが多い点にも注意しましょう。

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